ピンダロス (前518-前438) はテーベの貴族出身の詩人です。彼はオリンピックと深い関わりを持ちました。
古代ギリシャでは現代のオリンピックの発祥として有名なオリンピアを含め、4つの地で大きな競技大会が開催されていました。
競技大会の種目は競争(短・中・長)、幅跳び、槍投げ、円盤投げ、レスリング、格闘技(パンクラチオン)、戦車競争などです。
戦車競争とは2頭もしくは4頭の馬に二輪車を牽かせ競争する競技です。この競技では会場で馬を走らせる者ではなく出資者が選手となるため、シラクサやキュレネなどのポリスの王が参加し優勝することもありました。
ピンダロスは競技の優勝者から依頼を受け、その優勝者を讃える詩を作成していたようです。
ピンダロスの多くの詩の流れはおおむね以下の通りです。まずは優勝者の出身地にまつわる神々の話を持ち出します。その後優勝者の一族に功績があればそれを賞賛し、最後に優勝者に語りかけて終わる(語りかけないこともある)という流れです。
参考文献
内田次信『祝勝歌集/断片選』, 京都大学学術出版会 2001
鈴木良徳『オリンピックのすべて』,講談社 1964
最終更新日: 2023年1月1日