アイスキュロス

アイスキュロス (前525-前456)はアテネ近郊の町エレウシス出身の悲劇作家です。

ギリシア悲劇はこの人物を先駆けとして多いに発展します。

従来の悲劇では合唱隊(コロス)と俳優一人が上演していたのですが、アイスキュロスは舞台に同時に立つことのできる俳優を2人に増やし、俳優同士の掛け合いを可能にしました。

また、アイスキュロスの作品は神々や天空・大地を持ち出し、壮大な表現を行なっていることが特徴です。

現代のエレウシス跡
現代のエレウシス跡

アイスキュロスはペルシア戦争に従軍した経験から、『ペルシア人』という劇を創作しました。この話の舞台はアケメネス朝ペルシアの首都であるスサです。スサの長老たちが合唱隊となりペルシアの戦功を勇ましく願う中、ペルシアの女王が不穏を感じとります。その後使者によりペルシアの敗北の知らせが届き、帰還したペルシア王のクセルクセスや長老たちが嘆き悲しむという話です。劇中ではペルシアがサラミスの海戦でどのように敗北したかが生々しく描かれています。

この人物の他の代表作としては『アガメムノン』が挙げられます。この話はトロイア戦争からギリシアに帰ってきた将軍アガメムノンの話で、戦争中神託により自身の娘を犠牲にしたことから妻に恨まれ、妻がアガメムノンに復讐するというものです。


参考文献

『ギリシア悲劇全集 第1巻』呉茂一 等編, 人文書院, 1960


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最終更新日: 2023年1月1日

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カテゴリー: ギリシア