ソフォクレス

ソフォクレス (前496頃-前406)はアテネ市郊外の生まれの悲劇作家です。

ソフォクレスの代表作は『オイディプス王』です。この作品はギリシアの都市テーベが舞台で、町は凶作や疫病に見舞われています。オイディプス王は問題を解決すべく神託を授かるのですが、先代の王を殺した者を罰すべしという内容のものでした。オイディプス王はこれを受け先代王殺しの犯人を探す、というのがこの話のあらすじです。

この話の魅力は、王が町の問題を解決するために尽力するといったように、登場人物全員が正しい行動をするのに、その行動の結果かえって悲劇が避けられなくなるという運命の残酷さにあります。アリストテレスはソフォクレスの描く悲劇に影響を受けたのでしょうか、自身の著作において

一方(喜劇)は現にわれわれの周囲にいる人々よりも劣った人を描写することを意図し、他方(悲劇)は、よりすぐれた人物を描写しようと意図する

アリストテレス 『詩学』(藤沢令夫訳, 世界の名著8. 284頁)より引用

と述べています。

エピダウロス劇場
当時の姿がはっきりと残っていることで有名なエピダウロスの劇場

参考文献

『ギリシア悲劇全集 第2巻』呉茂一 等編, 訳者代表 高津春繁, 人文書院, 1960

『世界の名著8』, 田中美知太郎編, 中央公論社, 1972


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最終更新日: 2023年1月1日

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カテゴリー: ギリシア