ソフォクレス

ソフォクレス (前496頃-前406)はアテネ市郊外の生まれの悲劇作家です。

ソフォクレスの代表作は『オイディプス王』です。この作品はギリシアの都市テーベが舞台で、町は凶作や疫病に見舞われています。オイディプス王は問題を解決すべく神託を授かるのですが、先代の王を殺した者を罰すべしという内容のものでした。オイディプス王はこれを受け先代王殺しの犯人を探す、というのがこの話のあらすじです。

この話の魅力は、王が町の問題を解決するために尽力するといったように、登場人物全員が正しい行動をするのに、その行動の結果かえって悲劇が避けられなくなるという運命の残酷さにあります。アリストテレスはソフォクレスの描く悲劇に影響を受けたのでしょうか、自身の著作において

一方(喜劇)は現にわれわれの周囲にいる人々よりも劣った人を描写することを意図し、他方(悲劇)は、よりすぐれた人物を描写しようと意図する

アリストテレス 『詩学』(藤沢令夫訳, 世界の名著8. 284頁)より引用

と述べています。

エピダウロス劇場
当時の姿がはっきりと残っていることで有名なエピダウロスの劇場

参考文献

『ギリシア悲劇全集 第2巻』呉茂一 等編, 訳者代表 高津春繁, 人文書院, 1960

『世界の名著8』, 田中美知太郎編, 中央公論社, 1972


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ピンダロス

ピンダロス (前518-前438) はテーベの貴族出身の詩人です。彼はオリンピックと深い関わりを持ちました。

古代ギリシャでは現代のオリンピックの発祥として有名なオリンピアを含め、4つの地で大きな競技大会が開催されていました。

競技大会の種目は競争(短・中・長)、幅跳び、槍投げ、円盤投げ、レスリング、格闘技(パンクラチオン)、戦車競争などです。

戦車競争とは2頭もしくは4頭の馬に二輪車を牽かせ競争する競技です。この競技では会場で馬を走らせる者ではなく出資者が選手となるため、シラクサやキュレネなどのポリスの王が参加し優勝することもありました。

現代のオリンピア遺跡
現代のオリンピア遺跡

ピンダロスは競技の優勝者から依頼を受け、その優勝者を讃える詩を作成していたようです。

ピンダロスの多くの詩の流れはおおむね以下の通りです。まずは優勝者の出身地にまつわる神々の話を持ち出します。その後優勝者の一族に功績があればそれを賞賛し、最後に優勝者に語りかけて終わる(語りかけないこともある)という流れです。


参考文献

内田次信『祝勝歌集/断片選』, 京都大学学術出版会 2001

鈴木良徳『オリンピックのすべて』,講談社 1964


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