タレス (前624-前546)はミレトス出身の哲学者です。有史以来初の哲学者として有名で、後にヘロドトスやアリストテレスによってタレスの名が言及されます。
哲学者というと私たちの感覚では生死や神の存在についてなど、解決できない問題について考える人である印象がありますが、タレスは自然の研究、特に天文学についても豊富な知識を持っていました。例えばタレスは日蝕の日を予言することができましたし、気象状況からその年のオリーブが豊作になることを見越すこともできました。
タレスは自然を観察した結論として、万物の始原は水であるとしたのだと思われます。アリストテレスは、万物の栄養が湿っていることや熱が湿ったものから生ずることからタレスがこのように考えたのだと考察しています。
参考資料
ディオゲネス『ギリシア哲学者列伝 上』加来彰俊 訳, 岩波文庫, 1984
初期ギリシア哲学者断片集, 山本光雄訳編, 岩波書店, 1958