フェイディアス

フェイディアス (前490頃-前430頃)はアテネ出身の彫刻家です。

彼の生きた時代はペルシア戦争の真っ只中で、アテネ市内も戦場となり破壊されます。

アテネはペルシアに対抗するためデロス同盟を結成しており、盟主として潤沢な資金を用いることができました。そこで、アテネの代表であったペリクレスは、都市の守り神の象徴としてアクロポリスを再建することにしました。

フェイディアスはパルテノン神殿の建設に関わることになり、彼が製作した彫刻作品がアクロポリス内に設置されたと言われています。残念ながら彼の作品は現存していません。

Franz Karl Leopold von Klenze(1784-1864)によるアテネ・アクロポリス全景の想像図。中央にフェイディアス作アテネ・プロマコスの像が見える。有名なアテネ女神像はパルテノン神殿(画像右の大きな建物)の中に据え付けられていたそう。
アテネ・アクロポリス
おおよそ同じ方角から見た現代のアテネ・アクロポリス。時の流れによりアクロポリスの大部分が消失している。

参考文献

Chisholm, Hugh, ed. “Pheidias”. Encyclopædia Britannica. Vol. 21 (11th ed.). Cambridge University Press, 1911

田中美知太郎『アクロポリス』, 講談社, 1968


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ソフォクレス

ソフォクレス (前496頃-前406)はアテネ市郊外の生まれの悲劇作家です。

ソフォクレスの代表作は『オイディプス王』です。この作品はギリシアの都市テーベが舞台で、町は凶作や疫病に見舞われています。オイディプス王は問題を解決すべく神託を授かるのですが、先代の王を殺した者を罰すべしという内容のものでした。オイディプス王はこれを受け先代王殺しの犯人を探す、というのがこの話のあらすじです。

この話の魅力は、王が町の問題を解決するために尽力するといったように、登場人物全員が正しい行動をするのに、その行動の結果かえって悲劇が避けられなくなるという運命の残酷さにあります。アリストテレスはソフォクレスの描く悲劇に影響を受けたのでしょうか、自身の著作において

一方(喜劇)は現にわれわれの周囲にいる人々よりも劣った人を描写することを意図し、他方(悲劇)は、よりすぐれた人物を描写しようと意図する

アリストテレス 『詩学』(藤沢令夫訳, 世界の名著8. 284頁)より引用

と述べています。

エピダウロス劇場
当時の姿がはっきりと残っていることで有名なエピダウロスの劇場

参考文献

『ギリシア悲劇全集 第2巻』呉茂一 等編, 訳者代表 高津春繁, 人文書院, 1960

『世界の名著8』, 田中美知太郎編, 中央公論社, 1972


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