エウクレイデス 

エウクレイデス (前300頃) (英語名ユークリッド)はアレクサンドリアで活躍した数学者です。

彼は『原論』という著書を執筆しました。その内容は幾何学や比例論、整数論の定義や公準(公理)を示し、命題を証明していくというものです。彼の体系はユークリッド幾何学として受け継がれ、私たちが中学・高校の数学で学習する数学の公式の多くが本書に収録されています。

19世紀になると、ユークリッド幾何学が自明としてきた公準の一つを否定する幾何学が誕生しました。これを非ユークリッド幾何学と言い、三角形の内角の和が180度ではないような、ゆがんだ空間世界の図形を扱っています。


参考文献

『世界の名著 9』, 田村松平編, 中央公論社, 1972

中沢貞治『いろいろな幾何』, 共立出版, 1967


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アリスタルコス 

アリスタルコス (前310頃-前230頃) はサモス島出身の天文学者・数学者です。アリスタルコスはアレクサンドリアに住み研究を行っていたそうです。

彼は太陽中心説(≒地動説)の提唱者として有名ですが、この理論を提示した論文は残っておらず、同時代の天文学者からもアリスタルコスの考えが受け入れられることはありませんでした。アルキメデスはシラクサの王への手紙の中で、アリスタルコスの太陽中心説はあり得ないと書き記しました。

アリスタルコスの現存する論文は『太陽と月の大きさと距離について』です。

この論文では幾何学的な証明が行われています。例えば、太陽や地球、月を大きさの異なる円として間隔を空けて並べて描き、それぞれの円の接線をひきます。円の中心や円上、円の接線の交点などに点を置き、都合の良い場所から補助線を引いてあげるといくつかの三角形ができます。そうするとそれらの三角形の相似により、月や太陽として置いた円の大きさや地球からの距離の比を求めることができます。もっとも、相似の三角形の辺の数値を明らかにすることは困難であり、範囲を絞ることが限界でした。アリスタルコスは、太陽の地球からの距離は、月の地球からの距離の18倍より大きく20倍よりは小さいと結論付けました(実際の距離の差は約400倍)。

数値こそ誤りましたが、アリスタルコスが月の観察結果からこれらの天体の位置関係を幾何学的に緻密に絞りこんでいったその手法は見事です。


参考文献

『世界の名著 9』, 田村松平編, 中央公論社, 1972年


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