ヘロドトス (前485頃-前425頃) はアナトリア半島沿岸部の都市ハリカルナッソス出身の人物です。
ハリカルナッソスはアケメネス朝ペルシアの支配下にありました。ヘロドトスはサモス島、アテネへと引っ越したのち、南イタリアでの新たな植民市の建設に参加しその地で生涯を終えます。ヘロドトスは『歴史』を執筆した人物として有名です。
『歴史』はペルシア戦争を中心に記されたものです。
ヘロドトスによるとペルシア戦争の発端は以下の通りであるそうです。ミレトスの僭主(ギリシア人)がペルシア王の歓心を得ようとナクソス島に侵攻しましたが失敗し、僭主は責任を逃れるためペルシアに対して反乱を起こそうとしました。そこで僭主はアテネ含むギリシアの各都市に反乱の援助を申し出、アテネがこれに応じたことからペルシアの怒りを買い、ペルシアによるギリシア侵攻が行われました。
『歴史』は他にも、アケメネス朝ペルシアがメディア、リディアに替わって小アジアを支配するに至った経緯・逸話や、バビロンの町の壮麗さ、北方の狩猟民族であるスキタイについて説明するなど、本筋であるペルシア戦争から離れた記述も非常に充実しています。
参考文献
ヘロドトス『歴史 上』松平千秋訳, 岩波書店, 1971
ヘロドトス『歴史 中』松平千秋訳, 岩波書店, 1972
ヘロドトス『歴史 下』松平千秋訳, 岩波書店, 1972
最終更新日: 2023年1月14日