プラトン

プラトン (前427-前347) はアテネ付近出身の哲学者で、ソクラテスの弟子です。

プラトンはイデア論の思想で有名です。これは、物質的な世界の背後にあるイデアこそが本当の世界であるというものです。例えば、我々が猫を見て可愛いと思うとき、猫には「可愛い」というイデアが備えられており、我々は「可愛い」というイデアの影を見ているにすぎないということです。人間が「可愛い」イデアそのものを見ることはできません(もし見ることができたとしたら、そのイデアは客観的・絶対的真実として「可愛い」ものであるようです。)。

彼は若い時から優秀で、アテネで著名な教師からの教育を受けました。

そしてプラトン自身も教師となります。プラトンは、哲人王によって正義を実現する政治を理想としていました。そこで、シチリアの僭主に教える機会を得たため何度もシチリアを訪れますが、奴隷として売られかけたり内乱に巻き込まれたりと散々な思いをしてしまいました。

プラトンはシチリアへの関わりと並行して、アテネにアカデメイアと呼ばれる学園を開設し、哲学や数学、自然科学、政治学などが教えられました。開校のおよそ20年後、アリストテレスがこの学園に入学することになります。


参考文献

プラトン『饗宴』,中澤努訳, 光文社, 2013

R.S.ブラック『プラトン入門』, 内山勝利訳, 岩波文庫, 1992

ディオゲネス『ギリシア哲学者列伝 上』加来彰俊 訳, 岩波文庫, 1984


アリストファネス ギリシア文化まとめに戻る プラクシテレス

アリストファネス

アリストファネス (前450頃-前385頃)はアテネ出身の喜劇詩人です。

彼はペルシア戦争の終戦時期に生まれ、ペロポネソス戦争終戦に至るまでのアテネの黄金時代を若者として過ごしました。

アリストファネスの喜劇の特徴は政治や人物の風刺が多いこと、そして下ネタを多用する点です。作品からは観衆の笑いを取りにいこうとするプロ意識が感じられます。

『女の平和』はペロポネソス戦争中、アテネがメロス島を滅ぼした後に上演されました。同じギリシア人の町を滅ぼすという行為にアテネ人は衝撃を受けていたようです。内容は反戦を謳うもので、アテネ中の女性がアクロポリスに篭り男たちに休戦を迫る際のどたばたが描かれます。

他にも、エウリピデス死後に上演された『蛙』は、主人公が亡くなったエウリピデスに会いに地獄まで赴き、地獄でアイスキュロスとエウリピデスが歌比べをするというお話です。

ディオニュソス劇場
アテネ・アクロポリスに隣接するディオニュソス劇場。アリストファネスの喜劇もここで上演された。

参考文献

『ギリシア喜劇全集 第1巻(アリストパネス篇)』, 高津春繁 訳者代表, 人文書院, 1961

『ギリシア喜劇全集 第2巻』, 呉茂一 訳者代表, 人文書院, 1961


デモクリトス ギリシア文化まとめに戻る プラトン