タキトゥス (55頃-120頃)はローマで公職に就いた人物です。
当時のローマは皇帝による圧政がしばしば起こっていました。
タキトゥスの親族も皇帝から冷遇を受けたそうで、タキトゥスの文章からはうっすらとローマ帝国への皮肉を感じることができます。
タキトゥスの『ゲルマニア』は、ゲルマニアについて初めてのまとまった記述であり、ゲルマン人の身体的特徴、社会・生活方式についてや、各部族の分布・特徴などが記述されています。
当時のゲルマニアは都市がなく、人々は泉や野原、林に居を構えており、政治は部族の長老たちの民会によってなされていました。また、各部族の事情もそれぞれ異なり、ローマ帝国の領土に組み込まれているところもあれば、ローマとしばしば争っているところもありました。
参考文献
タキトゥス『ゲルマーニア』, 田中秀央 泉井久之助 訳, 刀江書院, 1941