オウィディウス

オウィディウス (前43-後17頃) はイタリア中部の町スルモで生まれた詩人です。彼はアウグストゥス帝の元で繁栄しているローマで詩人として、恋愛についての詩作や、神話を元にした『変身物語』を公表し人気を得ました。

彼の作品の一つ『恋の技法』は、恋人をどのように作り、関係を維持していくかという方法論を男性・女性双方に向けて語る内容です。オウィディウスは男性に対して、出会いを求め柱廊をぶらつくのが良いとか、演技場や競争場で一緒に観客席に座り、女性にゴミがついていたら(ついていなくても)払ってあげるのがよいとか、そのほかにも色々な場所での出会い方や仲の深め方についてアドバイスをしています。女性に対しては欠点をうまく隠すのが良いなどのアドバイスをしました。

ローマ・チルコ・マッシモ
現代のローマ・戦車競争場跡(チルコ・マッシモ)

しかしオウィディウスは、何らかの出来事が原因でアウグストゥス帝の怒りを買い、黒海沿岸の町トミスへと追放されてしまいます。

オウィディウスはローマに戻りたいという趣旨の手紙を残しつつ、トミスの地でその生涯を終えたそうです。


参考文献

オウィディウス『恋の技法』, 樋口勝彦 訳, グーテンベルク21, 2019


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リウィウス

リウィウス (前59-後17)は北イタリアのパタウィウム(現パドヴァ)出身の作家です。

彼が活動していた時代のローマはアウグストゥス帝の元で平和を享受しており、リウィウスもアウグストゥス帝の庇護を受け文芸活動に勤しむことができました。

リウィウスが人生をかけて執筆した作品が『ローマ建国史』です。この作品は紀元前8世紀になされたと言われているローマ建設の伝説から、アウグストゥスが元首になって少し経った紀元前10年頃までの歴史をまとめた全142巻の大長編です。残念ながら現在は前半の一部分しか残っていません。

パドヴァ
現代のパタウィウム(パドヴァ)

参考文献

『ギリシア=ラテン講座 第2部 第3巻』プラトンアリストテレス学会 編, 鉄塔書院, 1932

リウィウス『ローマ建国以来の歴史1 伝承から歴史へ(1) 西洋古典叢書』岩谷智 訳, 京都大学学術出版会,2008年


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