アルクイン(735頃-804)はイングランド北部ノーサンブリア出身の神学者です。
彼は50歳頃までイングランドにいましたが、カール大帝に誘われフランク王国アーヘンの宮廷にて仕えることとなります。
カール大帝はキリスト教の普及により王国の支配領域を広げようとしていました。しかし当時のフランク王国は、長年に渡るゲルマン人の移動による混乱で教育機関も書物も不足しています。そこでアルクインをはじめとするカール大帝の臣下たちは、各地の修道院を訪ねそこの所蔵図書から写本を製作したり、学習の場として新たな修道院や司教座を設立したりして、教育水準の向上を目指しました。
カール大帝とアルクインたちは、非公式な場ではホメロスやウェルギリウスの作品の登場人物の名前をあだ名にしてお互いを呼び合い、語り合っていたそうです。
彼らの文芸復興の活動により、以後ヨーロッパで学問が発展する土壌が作られました。
参考文献
フィリップ・ヴォルフ『ヨーロッパの知的覚醒 中世知識人群像』渡邊昌美 訳, 白水社, 2000
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最終更新日: 2023年1月1日