セネカ

セネカ (前4頃-後65)はイベリア半島の町コルドバ出身の哲学者です。

セネカの少年期にアウグストゥス帝が逝去し、ローマは以後50年ほどアウグストゥスの血縁者達が皇帝となり治められることになります。

ローマで学問を修得したセネカは弁論家や哲学者として活躍しますが、皇帝からは命を狙われることもありました。それでも有力者達からの評価は高く、50年には後のネロ帝の家庭教師を担当することになります。

しかし65年、自身を退位させる陰謀にセネカが関わっていると疑ったネロ帝は、セネカに自殺を命じます。セネカはこれに応じその生涯を終えました。

コルドバ・ローマ橋
現代のコルドバ。後世の再建を経ているがローマ時代の橋が現存する。

セネカの作品として有名なのは『幸福論』です。この作品の中でセネカはストア派の考え方に立って、自然、すなわち本性に適合する生活を送ることが幸福であるとしています。そして快楽の追求の欠点について述べ、欲望や恐怖を感じることのない徳をもった理性を持つことを促しています。

他にも、『生の短さについて』という作品では、仕事に翻弄され気がつけば人生が終わろうとすることの恐ろしさを語り、現在を大切にするよう忠告しています。


参考文献

セネカ『生の短さについて 他二萹』, 大西英文 訳, 岩波書店, 2012


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最終更新日: 2023年1月1日

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カテゴリー: ローマ